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特別な夜


夜。
この時期の夜は手加減というものがない。

今の私がこの文章を書いているのは家の自室。
ストーブを焚いてタイピングしている手は温まっているが、それでも足先は靴下の中でも冷えます。
ここ新潟県某所、只今の気温は-1.6℃。
今宵からしばらく厳しい寒波が続き、大雪が見込まれそうです。
明朝は恐らく早起きして雪かきスタート。

このように今の(特にこの時期の)私にとっては嫌という以外に何もない夜ですが。
それでも初めて学校にいながら迎えた夜はなぜか良い思い出に残っています。
今日はその話を書き込んでみよう。


あの時は今から5年前くらい。私が中学1年生だった秋の事。
当時中学校では毎年10月末に合唱祭なるものが開催されていました。
各クラスが合唱を歌う、恐らく一般的な、と言えるようなあの感じの行事です。

私はその合唱祭で実行委員を務めました。
クラスに一人がなり、運営したり練習で指示出したり色々やるアレです。(アレで通じてくれ)
クラスの皆から勧められた形でなりました。かなり苦しかったが、それでも今はめちゃくちゃ良い経験だったと感じています。

その実行委員の仕事の一つに、合唱祭前日の会場設営と準備がありました。
各学年・クラスの実行委員やその他の係、一部の先生方で当日に向けた色々をやります。

当時の私は中学校では部活に入っていませんでした。所謂帰宅部というやつです。
そのため帰りは放課後すぐに出るバスに乗ってさっそうと帰るのが毎日で、日が沈むまで学校にいたのはその日が初めてでした。

会場設営したり、当日の進行を確認している中、外を見ると段々と空が暗くなっていく。
やがて太陽は沈み、外は完全に暗くなる。
会場設営をしている体育館やその他の校舎の明かり以外、外は真っ暗闇になりました。
部活をしている人たち等は勿論それが当たり前なので何も感じない訳ですが、当時の私にとってはそれに何か特別感があったのです。

そしてやがて、午後六時くらいだったでしょうか。前日準備の仕事が終わり、学校の玄関で暗い外を眺めながら「遅いバス」を待ちます。あの時は少し肌寒かったような寒くなかったような。

バスに乗り、自宅付近まで揺られながら、ぼーっと外を眺めていました。

外は真っ暗。バスの光で少しだけ道路が見える。そして遠くを見ると建物の光が明るく見えました。
またバスの車内は暖色のライトが付いていたので比較的明るかった。
例えるならとなりのトトロのネコバスと若干雰囲気似てるかも。


「なんか良いな」みたいな感じと、しっとりとした気持ちでいました。
今までずっと住んでいた所だけど、夜になるとこんな景色になるんだ。そう思いました。


あの日の夜は、やはり何か特別感がありました。
高校生になってからは、帰りはその時間帯が常で、あの特別感は起きません。
しかしあの日の感じは忘れられず、今でも夜になるとたまに思い出します。


あの特別な夜を再び味わうには、どうすれば良いのだろう。
そう思い返しながら、この文章を書いている今宵の自分。
ストーブでかなり部屋が暖かくなり、足先も温まってきた。
ここ新潟県某所、只今の気温は-1.9℃。

1/21/2026, 12:10:41 PM