陽ノ下桜子

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『好きじゃない』

仕事は好きです、だってお金が貰えるから。
笑うのは好きです、だって皆が笑ってくれるから。
起きるのは好きです、だって朝日を見れるから。
私は、ワタシが好きです。
でも…本当にそうなのかと自分を疑う時があります。

私の人生が、何をするにも理由が必要になったのは一体いつからだったでしょうか。
考えるたびに行き着く場所は決まっているのに
私は愚かだから考えてしまうのです。
変えられない事実、それは"他人"を意識するようになった時からワタシは何をするにも理由が必要になってしまったのです。

好きだったあの遊びも、好きだったあの洋服も
"他人"という存在が私を歪な存在にしてしまったのです。
好きじゃない、こんなワタシは好きじゃない
心の中でそう唱えようとも私はワタシのままでした。

過去が眩しい、幼い頃の私が無邪気に笑えたあの瞬間
私は心の底から幸せだったのだろうと
大きくなってしまったワタシには、とても辛く泣きたくなるような過去そのものになってしまったのです。

仕事なんてしたくない、愛想笑いなんかしたくない、
朝だって起きたくない

それでも、生きているかぎりそれらは逃れられない物でした。

憂鬱な朝を起き、笑い、仕事をする
あぁワタシは今日も健全だ

だけど…健全だけど満たされない
満たされないこの思いを胸にワタシは今日も叫ぶんです

"こんなワタシは好きじゃない"

3/25/2023, 5:48:25 PM