朝、恐る恐る左親指の絆創膏を外すと、空気に触れた親指がプルプル震えていて、真っ白で、
母親から、「ある程度血が止まったら、絆創膏は外すんだよ」と、言われた事を忘れてなくて、
まだ、水にも空気にも慣れていない親指を気遣うように、4本の指も震えていて、
洗濯物を干したり、お風呂掃除したり、トイレ掃除したり、たまに血が滲んでくると、
ティッシュで拭いてやって、
だんだん親指の色も戻ってきて、4本の指の作業に加わってきて、
労るように人差し指が、痛みを確かめていて、
人差し指の腹を親指が撫でて、無で合って、中指が加わって、薬指が加わって、小指が加わって、お互いに労るように痛みを確かめあって、無で合って、
敏感だった親指の先が、空気にも水にも恐れなくなったころ、
わたしは、ふぅーーーっと、親指に息を吹きかけてあげた。昔、母がやってくれてたように。
でも、傷口はまだチリチリと痛くて柔らかくて、やった直後よりも痛みを感じるようになっていて、回復する過程を、痛みで確かめてみる。
12/5/2025, 11:20:53 AM