時代の流れに逆らう様に、私はここへ戻ってきた。
「…」
まだ、昔の面影のある花園。
懐かしみながら、地を踏み締め、歩いていく。
一歩、一歩、少しずつ、目的の場所へと…歩く。
途中の果てしない、坂道も、階段も、無心で、登っていく。
そして、暑い日差しも橙色へと姿を変えるころ、ついに、目的の場所へたどり着いた。
「はあ…はぁ…」
木製の椅子へ、そっと腰をおろす。
「もうだめ…限界だ…はぁ…」
全身からの悲鳴なんて、本当、いつぶりだろう。
…その時。
ふと、息を整えながら、思う。
今のセリフ、ほんの数十年前に、お前が、私に対して言っていた言葉、だったな、と。
あはは…。
「また、きてしまったよ。お前のために」
私は、震える手で、ポケットを探る。
「もう、最後だからな」
やっとの思いで、大切な人の思い出を、取り出した。
その時、
ふぅーー…
つやがない肌へ、小さなそよかぜが過ぎた。
…。
楽しいこと、悲しいこと、つまりにつまった、始まりの階段。
こんなボロボロな身体で、のぼれてしまっていた。
お題:愛があればなんでもできる?
5/16/2026, 11:36:39 AM