日差しのきつい夏の日のこと
作りものみたいな群青の空が眩しい
濃い青の奥には沢山の星々が輝いている
見えないくせによく輝いていられるわね
自転車のカゴに乗せたサイダーは気が抜けていて
味気ない私の人生みたい
「髪を下ろした方が好き」って
君は言うから 結わいていた髪ゴムを外す
じとっとした汗に濡れて 1人星を睨む
首に貼り付く髪が鬱陶しい
カゴに乗せたサイダーはいつのまにかビールになって
髪につく君の煙草の匂い
そんな君は知らぬ間にショートカットのお姉さんと結婚していた。
歳下には興味がなかったんだね
下ろしていた髪を結う
子供が嫌がるからと家では吸わない煙草
私の前では吸うんだ
別にいいよ
髪が長い方が貴方の匂いを纏えるから
貴方はいつの間にか大人になって
私はずっと過去の君に縋っている
気の抜けたサイダーが恋しい
だってぬるいビールはまずいから
そんな人生
8/4/2025, 6:39:18 AM