「 心は透明で 」
「具合悪そうだね。顔色悪いよ。」
ふと君に言われ、鏡を一瞥する。青ざめた顔。黒いクマ。
なんでもないよ、と笑って返した私を、心配そうに見つめる君。
なんでもなくないのは、バレバレなのだ。見ればわかる程衰弱していたのだから。
「病院行ったら?」
「ゆっくり寝るといいよ」
「薬は飲んだ?」
私を心配してくれる君の言葉に、私のほしいものは無かった。
ちがうんだ。
私が本当に辛いのは
【心】なんだ。
顔色や怪我は目で見える。でも、心は透明で、見ることはできない。
透明の中に黒い渦が充満してるんだ。
見えないんだから、無かったことにしよう。
そのうち良くなるよ、と君に返した。
5/21/2026, 10:20:02 AM