君との待ち合わせ。
柄にもなく、小綺麗に髪をセットして
君に褒めてもらえる未来を
思い浮かべて口角が上がる。
そんな自分に呆れながらも
誰もいない部屋に挨拶をして部屋を出る。
ドアの鍵を閉めて、車の鍵を開ける。
君を載せることになるであろう
助手席を少し手で叩いて払う。
そんな自分の行動にまで
嬉しさを感じながらエンジンをかけ
君と約束のコーヒーショップまで。
案の定、君はまだ居なくて
ドライブスルーでいつものコーヒーを買って飲む。
いつも同じ場所で待ち合わせして、
いつも同じ時間に着いて、
いつも同じコーヒーを飲んで、
いつも同じ時間まで君を待つ。
気付かぬうちにルーティーンと化した
自分の一連の行動を振り返る。
いつも君が飲むカフェオレを
助手席側のスタンドに入れる。
そうしたらほら。
いつものように君が来て。
窓を叩く。
「お待たせ」
そう口を動かす君に小さく微笑んでから
僕はゆっくりとドアの鍵を開けた。
1/28/2022, 11:51:44 AM