霜月 朔(創作)

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君の背中を追って



君の背中を追って、
必死に藻掻いてきた。
だけど、
君の背中には届かなかった。

ずっとずっと、
憧れだった、君。
君の隣に並びたくて、
必死に君を追い掛けた。

君の背中を追って、
がむしゃらに頑張ってきた。
だけど、
君の背中は、遠くなるばかり。

君は、誰よりも輝いてて。
部屋の隅が似合う俺とは、
住む世界が違うんだ。
君に届かない言い訳を、
何度も自分にいい聞かせる。

君の微笑みは、
俺の憧れだった。
でも、どんなに手を伸ばしても、
届かない。掴めない。
それが、切なくて苦しくて。

君の背中を追って、
走り続けてきた足が、
……止まる。

前を行く君の背中が、
よく見えないのは、
君と俺との距離が、
離れ過ぎたからなのかな?
それとも、
俺の目に浮かぶ、
涙の所為なのかな?

光ある未来に向けて、
歩き続ける君の背中を、
見えない俺の未来に探して、
視線だけは、どうしても、
君の背中を追ってしまうんだ。


6/22/2025, 7:08:18 AM