きみにあいたい
風が桜の葉をさらさらと揺らす
ふわりと舞う君の髪を思い出した。
「卒業おめでとう!」
はれてきみは、私の生徒ではなくなった。
春、夏、秋、冬。
ずっとずっと君が舞う姿が目に焼き付いて離れない。
友人に囲まれて涙目の君を遠くから見ることしか出来ない。
私はずるい大人なのだ。
卒業式前日。君が何を言おうとしてたかわかってしまった。だから、最後に教師として君の未来を潰さないように、と。自ら突き放した。
翌日
君の髪は、短くなっていた。
もう、舞うことはない。
桜も散ってしまった。
そうして、君のいない春が過ぎていく。
_No.9 さらさら
5/28/2025, 1:31:16 PM