—完璧なプロポーズ—
綺麗な夜景がみえるイタリアンレストラン。
今は、コントルノの『季節野菜のグリル』を食べ終えたところだ。
彼女の好きなダリアの花束を用意し、彼女に伝える言葉は、何度も何度も練習した。
そして、背広の内ポケットには、メレダイヤをあしらった指輪が潜んでいる。
我ながら、美しいほどに完璧なプロポーズだと思った。
「僕は、君のことを必ず幸せにしてみせる。その準備も覚悟も全てできてる。だから、君のそばに居させて欲しい。僕と結婚してください」
映画に出る俳優のように堂々として言い、ケースを開いて掲げた。
「ちょっと待って……。すごい準備してくれたのはわかるんだけどさ……」
彼女は顔を赤らめ、僕の目を見て言った。
「私は、いつものあなたがいいな」
「……あの、今のはなかったことにしていい?」
彼女は頷いた。
そして、二度目のプロポーズに入った。
「僕は春菜のことが好きで、これからもずっと一緒にいたい。僕と結婚してください!」
彼女は少し笑って、小さく息を吸い込んだ。
「はい」
小数点まで合わせた指輪は、彼女の指にぴったりとはまった。
窓の外は、さっきよりも少し、夜景が輝いて見えるような気がした。
お題:美しい
1/16/2026, 3:35:52 PM