kiliu yoa

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 人生は、退屈だ。

 物語の主人公たちのような優れた才能も、悪に対抗するほどの志しも、

 和多志は持っておらず、周囲に流され、生きてきた。

 和多志は、凡人。

 其れは、兄様や弟たちを見ていて、幼いながらに感じた。

 兄様のような聡明さも、弟たちのような優れた身体能力も、

 和多志は持ち合わせて居なかった。

 だからと言って、不幸では無かった。

 若き時は、兄弟たちの持つ天賦の才が羨ましくて……堪らなかった。

 幼き頃、兄弟の中で……和多志にだけ、優れた才が無いことに苦しんだ。

 大人になり、気がついた。

 優れた才が無いからと言って、人の価値が決まらぬことに……。

 だから、理想の自分に成れないことを、恥じなくて良いことに……。

 例え、理想の人生を歩めなかったとしても、それを恥じなくて良い。

 一日一日を精一杯…生き抜くことは、決して…容易なことでは無い。

 苦しくとも…辛くとも…生きてきた和多志や貴方を、何よりも誇って良い。
 
 苦しみを生き抜いてきた、和多志や貴方なら……。

 きっと、大丈夫。 

 和多志や貴方の生きる明日は…、未来は…きっと明るい。

 和多志は、そう信じてる。

9/30/2023, 11:48:53 AM