「情けは人の為ならず」
これは、人に情けをかける――親切にすれば、巡り巡ってその親切が自分に返ってくるという意味。
小さい頃は勘違いしていた。情けをかけてあげるのはその人の為にならないからやめよう。そんな意味だと思っていた。
だから、その言葉の本当の意味を知った時、今までしてこなかった親切をたくさんの人にしよう。そう思って、みんなに優しくできる人を目指して、実際に行動に移して生きてきた。
それがどうだ。
そうしてみれば、人に騙され、裏切られ、社会の荒波に揉まれ、ぼろぼろだ。
今の俺には何の財産も残っていない。残っているものといえば、多少周りに俺に懐く人がいるくらい。
この世は不条理だ。親切は自分に返ってくると聞いていたのに、そんなこと全くないじゃないか。なぜ優しい人が損をしなくてはならないのか。この世は腐っている。
それならば、この世の不条理をなくすために、悪い人間共々、ぶっ壊してやる。
次に目指すものが決まった。
『不条理』
3/18/2024, 10:53:13 PM