白糸馨月

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お題『降り止まない雨』

 外に出られなくなって、一ヶ月が経つ。
原因不明の異常気象が原因で雨が止まなくなり、高台に住んでるはずなのにこっちまで洪水状態になってしまった。
 幸い私が住んでるマンションまで及ぶことはないけど、下の階に住んでる人は大変だって聞くし、最近ニュースで『住居困難者が増えてる』なんてのが流れ続けている。住居困難者って言葉を使ってるけど、ホームレスって言えばいいのにと思う。
 でも、私にとって、それらはどうだっていい。だって、学校に行かなくていい理由が出来たから。
 もともと学校なんて嫌いだ。友達なんて一人もいない。教室にいる人間の喋り声がうるさい。耳障りだ。正直、今も止まない雨の音を聞いてる方がずっとマシだよ。
 学校の授業も完全にリモートになったから、不登校呼ばわりされることもない。
 なんとなく学校支給のタブレットをいじっていたら、クラスの掲示板があった。
 私は思わず心臓の鼓動が早まっていくのを感じだ。だって、名指しされない陰口が書かれてたことがあったから。その内容は全部、私のことだ。
 だけど、怖いもの見たさでその掲示板を覗く。

『〇〇ちゃんに会えないのつらい』
『私もー』
『ってか、雨マジうざい』
『っていうか、▲▲、最近見かけないけど』
『あの子の家、水浸しになって今ホームレスらしいよw』
『マジで? ウケるw』

 それらを見届けて、私は掲示板を閉じた。▲▲は私のことを率先していじめてたクラスのリーダー格だ。
 へぇ、あいつホームレスなんだ、ざまあみろ。
 ウキウキした気持ちのまま、私はスマホに持ち替えてとあるサイトにアクセスする。
 それは、真っ暗な背景のいかにも怪しそうな掲示板だった。
 なんでもこのサイトはこの異常気象のことを『神の裁き』と呼んで、今のこの状況を喜ばしいと感じてる人間が集まってる場所だ。
 確かに最近、そういう噂がネットで流れてるけど、今考えるとあながち嘘ではないかもしれない。
 皆、私と同じように困りごとや困らせたい人、消してほしい人について書き込んでる。
 私も書き込んだ。多分夜中にあいつのことを思い出して、病みと怒りに任せて書き込んだんだっけ。
 私はそのスレッドにレスすることにした。

『神様、奴を困らせてくれてありがとうございます。このままの勢いでもっと奴を惨めにさせてくださいね』

5/25/2026, 11:23:02 PM