ギシギシと軋む関節が、自分の終わりを伝えてくる。ネジを回して立ち上がると、視界にERRORの文字が映った。
またか、それが湧き上がる全ての感情だった。最近は接続回路が不安定なのかよくERRORが検出される。アップデートを重ねているとはいえ、この体はもう完全になる事はないだろう。
あとは残りの義務を果たすだけ。
造られた瞬間から出来損ないの不完全だった僕だけど、それでも与えられた業務をこなす事しか出来ないから。
廃棄所の前に立って、シャットダウンに手をかける。いつか僕も、素敵なAIになれるだろうか。いつか。
「僕を馬鹿にしてきた奴らに復讐を」
『不完全な僕』
8/31/2024, 2:00:54 PM