二人きり、赤い宇宙を漂う
星屑を瞳に宿した君は美しく
天の川を渡る時は瞬く間に過ぎて
一千年の旅は恐ろしいけれど
約束をよすがにまた会える
そんな夢を見ていたんだ
針山に横たわる僕は
今日も喉に刺さる棘に呻いて
鈍く垂れる醜悪さに飽いた素振り
這いずる蒼白な手は蜘蛛のよう
知らず踏み潰す靴裏を睨んでみては
俯くカンテラになりすます
声は枯れても泉へ歩まず
この首を括っていたのは僕自身だった
夢じゃないよ、と
声がする
流れる塵となって浮上する
僕が、君が
満ちる
迸る、心臓が
極光を捲れば夜明けが駆け込んで
君の見つけた光を拡散して
真昼の宇宙は万華鏡のように
二人の踊る銀河を照らした
速度を増して落ちていく
白い体に火をつけて、金烏玉兎にも勝る凄絶を
世界に焼き付く爆発を
僕らの開闢を刻むとしよう
もう戻れない、戻らない
覚悟は良いかな
(君と)
4/3/2025, 12:15:28 PM