『心の深呼吸』
猫の毛づくろいをするのを眺め、送信ボタンを押す手を止めた。
私は画面を閉じ、ベッドに仰向けになって倒れた。
自然とあふれてくる涙に、1階から聞こえてくるテレビの声
どの世界にも私はいなくって
誰にも必要とされなくって
生きている価値なんかない
ずっとこう思いこんでいた。
切り離していたのは、自分だった。
彼、彼女たちは私に手を差し伸べてくれた。
だが、自ら壁を作り、踏み込まなかったのだ。
踏み込めなかったのだ。
“ブーブブ”
通知音がなり、慌ててスマホを見る
“ありがとう”のかわいらしいスタンプが送られてきており、私は再び涙が止まらなかった。
そっと通知をoffにし、静かに目を瞑った。
11/27/2025, 1:52:15 PM