『溢れる気持ち』
ある日、僕は限界を迎えた。
ずっと貴方を愛し続けて5年が経った。
初めて出会ったのは中学生の時。貴女は塾の先生で大学生だった。優しい瞳が印象的で、柔らかい髪に触れたいと密かに思っていた。
穏やかな話し方に反して、貴女は自身の考えを明確に持っている人だった。そして、貴女は僕を否定しなかった唯一の大人だった。
僕はすぐに恋に落ちた。
それでもやはり、立場の違いと年齢を気にして何もできなかった。それに彼女はどうにも、僕ら他人に線を引いていた。何かを隠して、それでも何を隠されているのかは分からなくて、ただ僕は想い続けるしかできなかった。
高校生になる時、僕は貴女への気持ちを封印した。
誰もに平等な貴女の優しさを勘違いしないように。
貴方にとって僕はただの生徒でしかなくて、それら全ては役割からの温かさだと理解するために。
恋という名を尊敬という言葉で塗り替えた。
そして今、貴女と再会して僕は揺らいでいる。
タバコもお酒も合法な年齢になった僕に貴女は全てを委ねてくれる。ずるいひと。
これじゃあ振り出しに戻ってしまうじゃないか。
せっかく好きという気持ちを閉じ込めて、名前さえも書き換えたのに。
この溢れる気持ちになんて名前をつけようか。
自覚してしまったら、認めてしまったら、
もう戻れない。
2026.02.05
48
2/5/2026, 12:57:22 PM