NoName

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 外は雨、だ。

 このところ、おかしい自分には気づいていた。

 鏡の自分から目をそらす。
 
 彼女は、ただの同僚だ。だから、僕の何気なく言ったことを覚えていなくても、仕方ないし、帰りの時間がかぶったからって、さっさと帰ってしまう彼女を寂しく思う必要なんかない。

 そんなことはわかっている。わかっているのに....勝手に傷ついている自分の馬鹿さ加減を笑ってしまう。いつだって彼女は誰にでも公平なのに。

4/23/2024, 10:05:06 PM