久しぶりにとてもいい夢を見ました。
私と夢の中で出会った女の子と。
雲一つない空、澄んだ小川、小鳥の囀りがよく聞こえる
そんな場所で楽しくお話をしてる夢。
どこに住んでるの?
恋人は居るの?
好きな人は?
そんな女子トークに花を咲かせていた。
楽しい時間はあっという間に過ぎていき、夢の中で鐘がゴーンゴーンと鳴った。
鐘の音が鳴ると、その子は私の耳元で何かを言う。
そして小川を超えて何処かに行ってしまう。
もっとお話したかった私は、その子を追いかける。
が、足がもつれ小川の中にドボン!
そこで目が覚めた。
そんな話を私は旦那へ話した。
旦那は静かに頷きながら、泣いている。
夢に出てきた子は戦争で亡くなった私の親友である___らしい。
戦争で親友を亡くした時のお前はすごく、見てて辛そうだったと旦那は言う。
だが、私は覚えていない。
戦争から数十年が経ち、今は20××年。
私は後期高齢者で、認知症。
加えて肺癌を患い、後数ヶ月も持たない体でほとんど寝たきり状態。
『お前の親友からの合図かもしれんな。』
『そうね。』
私は旦那にこの話をした数日後、空へと旅立った。
次に目を開けると、夢の中で見たあの場所がそのまま。
私はあの子と出会ったあの場所に向かう。
やっぱり、あの子はそこに居た。
私を見ると、今まで堪えていたであろう
目から大粒の涙が出ている私の親友___ちゃん。
『お疲れ様。頑張ったね』
そう泣きながら、私を抱きしめる。
『お互い様。戦争で死んで苦しかったでしょ。お疲れ』
『何年も前の話だから忘れたわ』
『そんな事よりも、私を忘れるなんていい度胸ね』
『えぇ。あなたの姿は子供のままだったけど、
私はこんなに老けてしまったわ。そして認知症』
『長生きおっつ〜』
『なんか、腹立つわ』
『ここに居たら若い人も来るから。
現代風の話し方、いいでしょ?』
『私は今まで通りが1番落ち着くよ』
『あっそう?昔っから変わってんね〜』
『はは。おおきに』
私の姿はいつの間にか、親友と同じ子供のまま___
5/12/2024, 11:47:06 AM