《夜の時間》
(刀剣乱舞/大般若長光)
これは大般若が審神者によって励起される前。
現世の博物館に居た頃の話。
日中は騒がしくも賑やかで、様々な人々の声が絶え間なく聞こえる館内。
しかし閉館時間になり、職員も居なくなると、シンと静まり返る。
付喪神達も眠ったり、長くこの世にあるモノは少しばかり本体から離れて歩いていたり。
大般若もそれなりに長く居る刀ではあるので、多少なりとは動けるが、限度があるためあまり動くことは無い。
展示されていない時期ともなれば尚更だ。
「静かな時間だなぁ....」
「おや、大般若は静かなのは苦手かい?」
「苦手では無いが、暇ではあるだろう?小竜はどうなんだい?」
「まぁ俺も退屈って点には同意するけどさ」
同じ長船派の景光作の太刀・小竜景光とは仲も良く、共に起きていればたわいない会話を交わす。
沢山の古いモノたちで溢れるこの場所は、いつも騒がしくて飽きないが、毎晩訪れる静かな時間も、暇ではあれど嫌では無いのだ。
9/29/2024, 11:08:17 AM