外見、趣味趣向、将来の夢…子供から大人になるにつれて、人間とは考え方がころころ変わっていくものだ。子供の頃に楽しかったことは大人になってからつまらなく感じたり、大人になると考え方が現実的になるものだ。
それでも、私の憧れているものの一部は子供のままで、少女が好きそうなものに心がときめくし、おとぎ話の王子様のような、優しくてかっこいい人と結ばれたいと思っていた。
「ねぇ、私って子供っぽいのかな?」
「おや、どうしてそう思うのですか?」
「だって、未だにおとぎ話の世界に憧れているところあるし、あなたのこと王子様みたいって思っているから…」
少し恥ずかしそうにそう言うと、彼は優しく微笑みながらそんな事ないですよ、と言ってくれた。そして、顔を近づけて私を見つめながら彼は続けた。
「それに、貴方の心はとても純粋で、尊いものだと俺は思っていますから。どうか、そのままで居てください」
「ありがとう…!」
「それでは、お手をどうぞ。俺の可愛いお姫様」
そう言って彼は私の前に跪いた。私は照れて顔を赤らめながら、彼の手をとった。
テーマ「子供のままで」
5/12/2024, 10:47:03 AM