ぞっとする。
時が経つほど「好き」が募っていく自分に。
たまに昔を思い返すけれど、
今ほど拗らせてはいなかった。
物心ついた頃からよく遊ぶ仲で、
中高では毎日のように喧嘩も繰り広げて、
大学に進んだら穏やかに話せる仲になって、
社会人の今は気軽に互いの家を行き来する。
20年。
自覚したのはいつだった?
忘れてしまった。
ショックだったことだけは覚えている。
でもきっと平気だろうと高を括っていた。
俺は他の誰かを好きになれると思っていたし、
それが無理でもお前が結婚して諦めがつくか、
或いは自然と疎遠になっていくか、
どれかだろうと疑わなかった。
まさかずっとお前だけを心に置いたまま、
一番近い存在で、生殺しの状態で、
友達面して過ごしているとは思わなかった。
自分がこんなに馬鹿だとは思わなかった。
もしもお前が知ったらどうするだろう。
出来ればどうか、笑ってほしい。
こんなにも惹かれて焦がれて苦しんで、
でも俺は、一度も後悔したことはないんだ。
この想いがたとえ間違いだったとしても、
たとえ叶うことのないものだったとしても。
お前を好きにならなければ良かったと、
出会わなければ良かったと、
傍にいなければ良かったと、
思ったことは、ただの一度も。
お前に巡り逢えたことが俺の最大の幸せ。
陳腐な台詞だけれど本心からそう思う。
だからお前にも幸せになってほしい。
いつか膨らみすぎた「好き」で俺が潰れて、
お前の傍からいなくなったとしても。
ずっとずっと、誰より笑っていてほしい。
4/22/2023, 11:34:53 AM