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【君を照らす月】

雲間から降り注ぐ白い光が君の頬を照らす。
陶器のような滑らかな肌は、けれど命の色はなく。
たた人形のような美しさを保ったまま横たわる。
こんなふうに君の顔を見るのはいつ以来だろう。
見たくないことに目を背けて、認めたくないことに目を閉じて、君を振り返ることなど一度もなかった。
もしもこれが今までの罪だとしたら、これ以上の重い罰はないだろう。涙さえも許されず、悲しむことも許されず、罪は永遠に赦されない、罰に終わりなどなく、きっと私はこれを抱えて生きていくのだろう。
………それくらいに君は美しかった。

たとえ君を照らす月が隠れようと、私の罪は隠すことはできず、眼裏に焼きついた君が消えることはない。
美しき氷の花。触れれば瞬く間に溶けてしまうのならば、私はいったいどうすればよかったのか…。
その答えさえ、もう返ってくることはない。

11/17/2025, 1:52:47 AM