わをん

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『目が覚めるまでに』

夢で見たことは寝ている間にすべて本当に起こっていることなのかもしれない、なんてことを夜眠る前に想像していた。たとえばどこか高いところから落ちる夢を見たときにはバラバラになった体を誰かが拾い集めて繋ぎ合わせ、自分の目が覚めるまでに誰かがベッドに送り届けていたりするのではないか。まぁ、本当にはそんなことは起こりえないと思っているけれど。
目が覚めて大きく伸びをしたら、自分の腕がやけに重たくてそのまま後ろへ倒れ込んでしまった。どこか体調がおかしいのだろうかと額に手を当てるつもりが腕がいつもと違う動き方をする。おかしいのは腕のほうかとそこで初めて目をやると、肩から生えていたのは脚だった。
あぁ、間違えた。
そんな声が聞こえた気がして目が覚めた。大きく伸びをすれば腕も脚もよく伸びて、寝ている間に凝り固まった筋肉がほぐれていくのを感じる。
「なんか変な夢見たな……」

8/4/2024, 1:36:00 AM