―衣替え―
ずっと暗くて変わらない風景に飽き飽きしていた頃、
もうそろそろなんじゃないかな、と勘づき始めていた頃、
一筋の光が現れた。
その光は段々と大きくなり、やがて待ち焦がれていた
主様のお顔が見えた。
久しぶりに見た主様のお顔は、
また随分と大人びて、品のある顔立ちになられていた。
主様は、お洋服がとてもお好きだ。
そのため、毎年、衣替えを行われる時は、
とても晴れやかで嬉しげな表情をお見せになる。
そのまま、久しぶりに見る私たちを
体に当ててみたり、着てみたりと、
それはそれはとても長い時間、衣替えを楽しまれる。
私たちも、それを望んでいる。
だから、いつも衣替えの時のこの部屋には、
ほんわかとした幸せな時間が流れる。
今年も主様に気に入って頂けますように、と。
密かに願う10月初旬。
10/23/2022, 8:49:44 AM