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男は、ふと思い出す
キラキラと命を賭して生きていた事を。
あまりに多いから、溢れ過ぎていたから
誰もが誰も、価値があってもなかったような命たち

意味も無く生きていたのかもしれない
輝きも無い、ありふれただけの個。
仲の良かった他の█も居たのかもしれない
終わりすらもよく思い出せない、そんな前の話

まあ、今となっては関係無いが。
空に思いを馳せつつ目の前の事象に目を向ける
今日も愛しい娘が「魔法」を失敗したらしい。
水浸しになった家具と絨毯達に妻は空を仰いでいる

「まあまあ、そう怒らないで」

過去の自分では考えられない程に大切な二人。
例えそれが異質、異端と言われる魔女の裔でも
私にとってはかけがえのない家族で。

…だからこそ、この後幼い娘が短い家出の後に
成人男性を連れてきた時には、少々
いや大分かなり鶏冠に来てしまった訳だが


10/6/2022, 11:21:58 AM