『同情』
路地裏で犬を拾いました
それはひどく汚れており傷だらけで
やせ細っていて骨が浮いていました
屋敷へ連れて帰った私はお風呂に入れて
毛並みを乾かしふかふかのブランケットに包みます
起きてからもその犬は何も口にせず
いつも部屋の隅に丸まっていました
近づこうとすれば牙をむき出しにして威嚇します
その金色の瞳は何かに怯えているようにも見えました
ある日のことです
犬の様子を見に行くとそこには人間がおりました
こちらを睨みつけているその瞳も髪の色も
あの犬のものだと私は気づきました
「なぜ助けた」
なぜ?私にもわかりません
同情、憐憫、興味、好奇心、或いは…
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それが彼との出会いです
今では名前を呼ぶとすぐに私のもとへ
駆けつけてくれる頼もしい相棒です
ね、セバスチャン
2/20/2024, 6:43:56 PM