動かぬ空気、冷めた鉄棒
かつてこの場所で3DSを持ちより、各々の妖怪たちを戦わせてはこの空気を温めていた小学生はいない.
その代わりここにいるのはあの頃から背丈だけ伸び、少しくすんだ肌になった私だけ.
あれから8年経った.
彼らとはあれから見た景色、関わった人、置かれた立場、全て交わることはなかった.
それぞれに新しい環境で自分の世界を作った.
今の私がもし、あのひだまりのような彼らに戻れるとしたら何を言うだろうか.
意気地無しの不自信家な人間になるな.
もっと真面目に勉強しろ。
人と真剣に向き合え。
いやいや、そんな説教みたいなことは言いたくない。
強いて言うなら
「となりにいるアイツに『大切に思っているよ』って伝えなさい。それができないまま大人になってくれるなよ」
と。
*創作
2/23/2024, 12:48:38 PM