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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第四十七話」

「やっと着いたー!電車の旅、長かったー」
志那達は、三次元国のターミナル駅に居ました。
「三次元国って、現実世界と殆ど変わらないな」
カインドは、ターミナル駅に行き交う人々を見ました。
「三次元国は、芸能人と一般人の居住区の様な国だからな。現実世界と差異が無い国さ」
アンバーは、カインドに説明しました。
「それで、天国のような生活ってどう言う意味?2.5次元とあまり変わらない様な気がする…」
スモークは、首を傾げました。
「とりあえず…由里と章司は時計広場で待ってる約束だから、そこまで行こう」
志那達は、ターミナル駅の時計広場まで移動しました。
「志那ー!来てくれてありがとー!」
「由里ー!ちゃんと、みんな来たよー!」
志那と由里は、再びの再会に大はしゃぎしていました。
「凄い大所帯ですね…」
章司は、志那達を見るなり、人数の多さにただ呆然としていました。
「志那ー、スッゴいボーイフレンドの数だね」
「由里、表現がオーバーだよ…」
由里は、志那をからかいました。志那は、返答に困りました。

「僕達が住んでいるマンションは、バスに乗っての移動になります」
「いざ、我が家へレッツゴー!」
由里と章司は、志那達を連れてバス停まで案内しました。
「コレ、ドラマによく出て来る首都圏のバスですわね」
「あ、きた来た!乗ろう!」
志那達は、目的のバスが来たので乗りました。
「凄いな…現代貴族が暮らしている様だな」
ロードはバスの窓から見える景色に驚いていました。三次元国は、この世界の金持ちが暮らしているかのような国でした。
「そりゃあ、三次元国は暮らしやすさナンバーワンなんだから!」
「ココで暮らせるの?!何だかワクワクして来た!」
「志那、はしゃぎ過ぎですわよ」
「皆さん、マンションに着きました」
志那達は、目的のマンションの最寄りのバス停で降りました。
「…何だか、一般人の住むマンションにしては豪華だな」
パズルの拠点のマンションとほぼ同価値だろうと思っていたアメジストは、由里と章司が住むマンションを見るなり狐につままれた表情になりました。

「じゃ、管理人さん呼んで来るね!」
由里は、マンションの管理人を呼びに管理人室まで行きました。
「管理人さんは、どんな人かしら?」
「お決まりで言えば、魔導師の様な裕福な老婆って所か?」
梨々華とカインドは、二人で話していました。
「呼んで来たよー!」
由里の隣には、大きな宝石を身に着け、派手なメイクをした白髪のふくよかな老婆が居ました。
「管理人の諏訪井トキヨです。まぁ、皆さんこんな遠い所へ…ようこそおいで下さいました」
「諏訪井さん、初めまして。私は神崎梨々華です」
「まー!可愛らしいお嬢さん。礼儀正しくて育ちが良いのでしょうね!」
「初めまして。私は斎藤志那です」
「…あらそう。男の子達は?」
管理人は、志那を無視して男性陣に話を振りました。
「…?」
志那は、管理人の態度を不思議に思いました。
「マンションは、基本決まりとか集まりが無いから自由に過ごせるんだよー!」
「三次元国は自由の国ですから、どんな生活を送ろうとも自由なんです」
「あら、二人共。私が説明しようと思っていたのに賢い子達ねー!」
管理人はオホホと甲高い声で笑いました。
「じゃあ、一人ずつ部屋の鍵を渡すわね」
管理人は、一人ずつ順番に鍵を渡して行きました。
「ハイ、これは斎藤さんのね」
管理人は、志那に鍵を渡しました。
「管理人さん、ソレ、事故物件の部屋の鍵じゃん!」
「由里ちゃん、良いのよ。ちゃーんとお祓いしたから大丈夫よ」
「お祓い?!いつの間に…まぁ、良いけど」
志那と管理人以外は、自分の部屋に行ってしまいました。
「…あの、何で私は事故物件の部屋なんですか?」
「アンタみたいな汚らしい小娘には、お似合いの部屋だから渡したのよ。ココに住めるだけありがたいと思いなさい。何の能力も無いバカ娘が!私、馬鹿は嫌いなのよ」
管理人は、それだけ言うと管理人室に戻りました。

「ウワァー!雑用から開放されるってこう言う事か!」
「自由のありがたみって、こう言う事ですのね」
「時間に縛られないって、最高じゃん!」
「本当に天国のような生活になるな!」
志那以外は、豪華な部屋に満足していました。
「事故物件って、本当に色々修理しなきゃ行けないじゃん…」
志那は、ボロボロになった部屋を見回っていました。
「あのババァ、私に何の恨みがあるワケ?」

11/8/2022, 10:39:57 AM