「ねぇ、ある人の人生を描いた物語知ってる?」
そう私に言ったのは、見覚えのある少女。
だけど私はその少女を思い出せない。
『知らない。聞かせてくれる?』
そう私が言うと彼女は話した。
「この物語はね。
複雑な気持ちが沢山書かれていて、
私にとって深く共感できるの。
だから貴女も共感できると思う。」
『私も、?』
なぜそう分かるんだろう。
「そう、貴女も。
だって貴女、嘘つきしか周りにいないじゃない?
この物語の主人公と一緒だから。
ぜひ読んでみて。答えがわかるわ。」
なんで、なんで分かるんだろう。
貴女は、誰?___。
『ねぇ、貴女は誰?』
「私?私のこと忘れたの?
相当疲れてるのね。可哀想。」
この少女が言った「可哀想。」には、
何も感じられなかった。
あれ、どこかでこの感覚見覚えがある。
どこだっけ、そして誰?
『、、、もしかして貴女、私?』
「!やっと気づいた?嬉しいなぁ!
そう!私は貴女!そしてこの物語の人も。」
、、、その物語を読んで未来を知りたい。
「あ、この物語は読ませてあげないよ?
未来を知ったら今の私が消えちゃうから。」
「だから永遠にさまよい続けて。」
私はこの時知った。
この物語は、誰しもが持っていて、
この物語は結末のない、終わらない物語。
1/25/2025, 3:23:34 PM