霜月 朔(創作)

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日の出



ずっと、ずっと。
私の心は、冷たく深い闇を、
彷徨い続けていました。

一月初旬の、冬の日の出。
その厳かで澄んだ光が、
心の奥に隠し続けている、
真紅の罪と、煤けた悪意を、
浮かび上がらせるようで、
私は目を伏せ、祈る振りをします。

もし、私が、
少し寝坊気味の冬の日差しを、
穏やかに受け入れることが出来たなら。
貴方への想いを、
押し殺さずに居られたのでしょうか。

冬の日の出よりも、
遥かに美しく輝く、
貴方の微笑み。

その光へと手を伸ばしても、
私には、触れることさえ、
許されないのです。
日の出の輝きに、
手が届かないように。

1/4/2025, 8:06:01 AM