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7.31 澄んだ瞳
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彼女のあの何を考えて何を目的としているか分からない、ただ一人で遠くを見つめる瞳が好きだった。
でも直接話したいとか、触れたいとかそういう感情は湧かなかった。あまり彼女の話を聞かないのもあってどんな人か見当つかなかった。

「なぁ、○○さんって知ってる?いつも一人でいる色白でめっちゃ綺麗な女の人。」

「誰だ?聞いたことないな。」

おかしいな、ここじゃ全く見ないほどの美人だからこいつの耳になら絶対入ってるのに。なんて考えていながら友達に話していた。

「あっ。」

その時ちょうど彼女が通り掛かる。それにしても綺麗だ。あんなに綺麗なら男が、いや女までも寄ってくるんじゃないのか?

「ほら!あの人だよ!」


「はあ?笑あそこは誰もいねえよ笑何見えてんだよ笑」

そこでようやく気づいた。

もしかしたら、話したい、触れたいと思わなかったのではなくて
話せない、触れられない相手が好きだったのかもな。

7/31/2024, 6:58:32 AM