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秋の夜空で瞬く星を、縁側でぼんやりと眺める。喪服だとほんの少し肌寒い。
そういえば、『銀河鉄道の夜』も星の綺麗な宇宙空間を、ジョバンニとカムパネルラという二人の少年が、銀河鉄道に乗って旅する話だった。学生の頃の現代文の授業という、遠い遠い記憶を思い出す。
最後、地上に戻って来たジョバンニは親友のカムパネルラが事故によって亡くなってしまったことを聞かされる。さっきまで一緒に旅をしていたカムパネルラは、もう既に亡き人だったのだ。そして二人で乗っていた銀河鉄道は、亡き人が遠い遠いどこかへと行くために乗るものなのだと悟るのだ。
今、母はあの瞬く星の中を旅しているのだろうか。私を夜空から見下ろしているのだろうか。
母さん、どこにいますか?ずっと側に、いますか?

7/5/2023, 12:07:39 PM