漣 蓮斗

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テーマ 冬休み

「これで終業式を終わります。礼。」
終業式の終わりの言葉が体育館に響き渡った。
「やーっと冬休みだー!!」
下校の時間になった瞬間、あいつが大声で叫んだ。
「はしゃぎすぎ」
「あいてっ」
「じゃあ冬休みにな!」
元気にあいつがそう言うと、僕らは家の前で別れた。家は近いとは言い難いがすぐに行ける距離ではある。

ー 12月??日 ー

遅く起きたな。まぁ冬休みだから大丈夫なんだけど。
「母さん出張か」
机に置かれていたコンビニ弁当を見て察した。これにも慣れてきたな。
「ピーポーピーポー」
救急車の音が聞こえた。
「なんかあったのかな」
自分の部屋のカーテンを開けて救急車の場所を探す。
「...ん?」
停まっていた場所はあいつの家。まさか。まさか。ないだろ(笑)。
「見に行こう」
ろくな支度もしないで、スマホ一つで家を飛び出た。
『お前んち行くね』
ラインで打ってたくさん走った。


「冗談キツイって...」
そこには横たわっているあいつが居た。
そして僕はここから記憶がない。


そうだ。あれは夢だ。ただの夢だ。そうだ!そうだ!嘘なんだ!そうさ、あんな事があるはずない!あんな事...あるはずないだろう?





「あの子、どこいくんだろう」
小さな子供が喋る。
「大丈夫ですかー?」
この言葉は少年に届かなかった。狂った少年は崖からただ落ち、


ただ一人の友に会いに行き、現実で起きたことを夢にしようとした。まぁ、死んでしまったのだから関係ないのだけれど。

おわり

12/29/2024, 9:24:16 AM