27(ツナ)

Open App

1つだけ

『1つだけ、約束して───。』
何を約束したのか忘れた。
なんだったっけ?誰だったっけ?
死に際になって、なんか思い出した。
人を殺すことを生業にしてるのに、いざ自分が死ぬとなると恐怖心がでてくる。

ようやく思い出した。昔組んでた相棒の最期の言葉だ。
私の腕の中で安らかに亡くなった。
相棒はこんな仕事にしては気の弱いやつだった。
殺した後に毎回「安らかに。」と手を合わせるような人間。
だから死んだ。
そんなあいつは最期に、
『1つだけ、約束して。私が死んだら、あなたは必ず足を洗って。だって、あなたには人殺しなんか向いてないもの。そんな泣き虫じゃ。』
そう言って震える手で私の頬を伝う涙を拭ったんだった。

「ごめん。約束破った…。地獄で待っててな。すぐ行く。」

4/3/2026, 11:34:29 AM