残業、残業、残業、ここ最近書類が溜まりに溜まってここ数日家に帰った記憶がない。隣の風見さんも瀕死の状態だ。
「風見さんそれ終わったら帰ったほうがいいですよ。顔が死んでます。」
「お前にだけは言われたくない」
降谷さんの後処理は殆どこの人がやっているんだから人一倍大変だろう。そしてその降谷さんはトリプルフェイスときたもんだ。このオフィスに普通の人間はいないのか。
眠い体を奮い立たせパソコンに向かう。
「私と風見さんどちらが先に帰れますかね」
「…帰れればいいな」
「そんなこと言わないで下さいよ」
暫くして休憩がてらコーヒーを飲もうかエナジードリンクを飲むべきか悩んでいたら
「2人ともお疲れ」
「え、降谷さん?」
予想外の人物に驚いていると風見さんは知っていたのか平然と挨拶と引き継ぎ等をこなしている。なんだよ、教えておいてくれよ。
「分かった。引き続き調査を頼む。ちなみに残ってるのは風見とお前の2人だけか?」
「はい。そうですが…何かありますか?」
私より肌質が良い褐色肌が恨めしい…なんて余計な事を考えていたら紙袋を渡された。
「ちょっと作り過ぎたから差し入れ、良かったら食べてくれ」
そう言って渡されたのは三段のお重箱。作り過ぎたレベルじゃないと主張したいがこの人の料理で不味いものはない。横からも輝かしい目をさせた風見さんが寄って来た。
「い、良いのですか?」
「お前たち最近碌なもの食べてないだろう。健康でいるのも仕事のうちだぞ」
そう言いながら更に水筒のお茶まで出て来てこの人はどこまで完璧なんだろうと夜中に思った。
-日常-
6/22/2024, 11:23:15 AM