白糸馨月

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お題『街の明かり』

 会社から出ると、人々の喧騒と夜でも明るい街に毎回のように驚かされる。
 明るすぎる飲み屋街で、だいたいお店の前に客引きがいてたまに人と帰ったりしていると声をかけられたりする。
 会社がその中に位置しているからどうしてもこれは逃れようがない。騒がしいのも楽しくていいが、いつもこれだとさすがにしんどいと思う。
 かといって、僕の地元のように夜になると明かりが消えてお店がすぐに閉まってしまうような寂れた街も勘弁だ。
 飲み屋のキャッチをかわしながら帰路について、やっと自分の最寄り駅に着く。閑静な住宅街で、駅前はスーパーがあって、しばらく歩けば等間隔に並べられたランプが街をほんのり明るく照らす。
 家に着いて街の喧騒から離れられたことに安堵しながら、我ながらいい場所に住めたなと思う。

7/8/2024, 10:55:31 PM