記憶 【トラウマ】
毎日を夢現に過ごしている。
ふと体が浮き上がったかと思えば、次の瞬間全身が叩きつけられることもある。
そんなことをいつまでも繰り返してきたんだろうけれど、そんな記憶はどこにもない。
浮いて、落ちて、浮いて、吹っ飛んで。
そろそろ砕けてしまいそうだ。
そうまでしても、前に進み続けなければならない。
なんでだったっけ。忘れてしまった。
あ、だめだ。もう、ておくれだ。
ここまでだ。もう充分だ。
そうして記憶がはっきりと描写されて、私の日記はニュースに取り上げられるほどのベストセラーとなった。
「限界を知れなかった哀れな子供」として、私は一夜にして時の人となった。
だけど、それを知っても、だれも限界を人には教えない
3/26/2025, 2:45:55 AM