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三日月の続き

月に願いを

私 滝本月菜(たきもと.つきな)16歳
高校1年生

私には、願いがあるそれは、私が所属する
黒魔術研究部を存続させる事
しかし現実は厳しく部員は、私一人だけ
顧問の先生はのほほんとして良い先生だけどこう言う時には、あまり役に立たない。

黒魔術 またはオカルト 超常現象でも可
とにかく神秘的で不思議な出来事が小さい
頃から大好きだった私は皆が怖がる
お化け 悪魔はたまた吸血鬼などが
大好物である。
人々には馬鹿にされるけど私はそう言う
現象に一度で良いから出会ってみたい

「そんな事 現実に起きる訳ない
そんなの当たり前じゃん」と言われるのが
殆どそんなの分かってると納得するのは
簡単だ だけど私は信じたい
悪魔や吸血鬼お化けと言う存在を

だから私は願った
綺麗な満月の晩 窓越しで手を合わせ
一生懸命に....

(神秘的で不思議な出来事に出会わせて下さい) そうして月の神様は、
私の願いを聞き届けてくれた。

そう私の学校に転校生が来たのだ しかも
7人も....

私のクラスにもその転校生は割り振りられた。

赤髪と焰の様な瞳のサラマンダー君
怜悧な氷の瞳と青髪のグエル君
黄金色に輝く黄色髪のバーナード君

この三人が私のクラスに転校して来た。

三人の人間とは思えない整った顔立ち
男女問わず魅了するその容姿に私は
予感めいた物を感じた。

クラスの皆に囲まれ当たり障りの無い質問に笑顔で返すサラマンダー君
気怠げに返すバーナード君
何かを吟味する様に一人一人に視線を向けるグエル君

私はその三人をじっと凝視していた。
そして青髪の青年グエル君と目が合った。
私は盗み見していた後ろめたさから
ぐるんと首を大げさに逸らしてしまう
変に思われたかなあと心配してまた覗き
込んでみるが変わらず会話は続行されていた。

私はあの三人を見て欲が出た。
あの三人を黒魔術研究部に勧誘したいと
そしてこれは勘でしか無いが
あの三人を巻き込む事が出来れば
神秘的な出来事に出会えるのでは
無いかと言う想いが私の頭を駆け巡った。


放課後 

「やはり考え直した方が良い!人間の
学校に通うなど」眼鏡をかけた緑髪の
青年が眼鏡を押し上げながら言う。

「え~でももう入っちゃったし!
後は卒業するまで楽しむだけじゃん」

サラマンダーが両手を横に上げながら
言う

「しかし人間って何でもかんでも知りたがるよねェー僕もう疲れたよ~」

バーナードが欠伸をしながら応える。

「でも美味しそうな人間も何人か居たよ
少し位 血を吸ってもバレないんじゃない
疑われたら都合の悪い記憶をけしちゃえば
良いし」グエルが物騒な事を自然と呟く

「グエルそう言う発言は慎め誰が聞いてるか分からないんだぞ!」
眼鏡を掛けた緑髪の青年
アカーシャがグエルを窘める。

「アッハハハ!とか言ってアーちゃん
自己紹介の時緊張してたじゃん!
横で聞いてた俺様 噴き出さない様に
するの苦労したぜ!」

紫髪の青年ヴァルドが大口を開けて
アカーシャを揶揄する。

「黙れヴァルドお前こそ何だあの不遜な
態度は完全に目立ってただろうが!」

「こそこそしたって仕方ねぇって
第一印象で舐められたら終わりだろう!」

五人の会話の中最後に呟いた顔立ちの
よく似た双子の銀髪の青年二人

「ねぇ.....これ....」「拾った....」

「何だカイル カインまた何か拾ったのか
お前ら二人は良く物を拾って来るなあ」

アカーシャが呆れた様に双子を見る。
其処には黒魔術研究部 部員求むと
書かれたチラシがあった。

「黒魔術?見るからに怪しい?」
「僕達を滅するために作られた敵対勢力とか?」

バーナードとグエルが疑いの目を向ける。
「へえ~人間の中に僕達を敵に回そうって言う勢力があるとはね」

サラマンダーが面白そうな表情で言う

「あるいは俺達の他にも人間界に降りて居る同族が居て俺達を追って来たか
窘めに来たか矢張り無闇矢鱈に人間界に
降りたのが間違いだった」

「面白そうじゃん敵状視察に行こうぜ」
ヴァルドが立ち上がる。
その行動を見て五人も立ち上がる。
唯一人アカーシャだけは....
「全くヴァルド何でお前は無茶な提案しか
しないんだ」そう言ってアカーシャも
立ち上がる。

それを見てヴァルドはニヤリと笑い
「決まりだな!」

こうして7人の吸血鬼の勘違いから
一人の人間の少女との交流と言う邂逅が
始まるまでそう時間は掛からない。....

5/27/2024, 6:31:17 AM