Ring…Ring…
不器用な恋をしていた頃、自分から好きと言ってしまったら負けのような気がしていた。
Ring…Ring…
あなたからの電話に気のない振りをする私。
余裕げに笑うあなたの態度はいつだって私を不機嫌にした。
一度も好きと言えずに終わった恋は、この気持ちだけが行き場なく宙を舞う。
あれからいくつも恋をして、心から好きと思える恋がどれほど貴重だったのかを知った。
Ring…Ring…
電話の向こうのあなたの声。
今はもう思い出すことは出来ないけれど、あの時の甘苦く切ない気持ちはまだここに、そっとある。
お題
Ring…Ring…
1/8/2025, 2:28:55 PM