「最初から決まっていた」と死にかけの魔王は言った。
「倒されることは分かっているのだ」魔王が続けて言った。
勇者は無言。
「じゃあ、何故、知っておきながら歯向かうか───誇り、のつもりだよ」
勇者は無言。
「誇りというのはな、生きる意味を指す、が生きなければ意味がない───」
勇者は無言。
「───と私は思わない」
勇者は無言。
「誇りは、次に、託すのだ·········」
勇者は無言。
「·········」
魔王も無言、いや話せない。
勇者はゲームをクリアした。
勇者の冒険は引き継ぐことなく、そこで終わった。
プレイヤーは達成感を得たが。
8/7/2025, 11:03:19 AM