押し入れを片付けていると、学生時代の教科書が出てきた。懐かしさに開くと、ページの隅に小さな落書きがある。そういえばこの時期はパラパラ漫画にハマっていたと思い出せばやってみたくなるもので、一度本を閉じ直す。先程見た絵は水飛沫と波紋で、そうであれば確か、魚を見つけた猫が池で溺れてしまうような展開だった筈。小さい時は何故かそういう残虐性があるよなぁと思いつつ、数度捌いた用紙は流石に何度も遊んだ通りの靭やかさを取り戻す。さてと腰を据えてページを捌くと記憶の通り猫が走り出す。駆けた猫は池の淵で魚を見つけぐっと踏み込んで
こっちに飛び掛
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9/3/2025, 9:27:54 AM