ついにこの時がやってきてしまった。年に何回か存在する一大イベント、そう推しの実装である。この時に備えて石はずっとため込んできた。そして神イラストに性能も人権級ときた。これはもうひかない理由がないというものである。アップデートのわずかな時間すらもどかしく想いながら速攻でガチャ画面に遷移、まずはお決まりのおはガチャからだ。結果は当然爆死。当たり前すぎて何の感情もわいてこない。そのままの勢いで最初の10連を回す。光る画面、いわゆる確定演出というやつだ。勝利を確信しタップを繰り返す。そして私の目の前に現れたのは“すり抜け”だった。落胆する気持ちが抑えられないが、まだ序盤も序盤、天井を叩くことだってできるのだ。まだ私に焦りはなかった。そこからはあっという間だった。様々なオカルトを試しながら石を砕いていく。時折挟まるロードや演出に心乱されるも、推しが私に微笑んでくれることはなかった。そして迎えた最後の10連。ここまで来てしまったら天井は確定している。しかし、複数枚重ねる必要があるのだからここで出てくれたとしても何ら問題はないのだ。祈りを捧げタップする指にすべての力を込めてガチャを回す。そんな私を待ち構えていたのは…無情な現実だった。
10/8/2024, 8:47:44 AM