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【「ありがとう」そんな言葉を伝えたかった。その人のことを思い浮かべて、言葉を綴ってみて。】


「よっ!お見舞い、来てやったよ!」
「別に頼んでないよ」
「ちょっとさぁー!!」
そんな当たり前のように呑気な会話。病院に入院して以来毎日のように見舞いに来てくれる幼馴染み。太陽のようで近寄れない存在の幼馴染みはクラスでも近所でも人気者で、病弱で根暗で人と話すのが苦手な自分とは真反対だ。温かいその存在は安らぎを与えると共に自分との差を見せつけられて悲しくなる。勝てるものがない。どれだけ努力しても何をしても幼馴染みには触れられないし近寄れない。それがどれだけ苦しいのか分からないだろうな…。どうせこの病気は助からない。ドナーは見つからないし見つかったとしても適応するかも分からない。どっちみち自分が生きれるなんて思ってないからこの会話や今までの思い出を全部閉じ込めて苦しまず早く…早く…消えちゃいたい。
「おーい?どうしたんだよ。なんか顔色悪いけど」
「え…なんもないよ?怖いなー眼科行ってきたら?」
「な!?そんな目悪くねえっての!!」
バンっと勢いよく扉が開く音がした。看護師さんが喜びを含んだ顔で走りよってくる。
「ドナーが見つかったわ!!」
「ドナー…?」
「ええ!適応もするはずって、先生がそう言ってたわ!良かったわね!!」
「……」
幼馴染みをちらりと横目で見ると喜びと不安?を含んだ顔で笑っていた。
(なんでそんな顔をするの?君も自分は居なくなった方がいいと思ってるの……)
「不安?」
「そんな訳ないけど…」
「良かったな!じゃあ俺そろそろ行くわー手術頑張れよ」
「…うん、ありがとう」

手術当日
不安は無いし希望もないような状態だった
いざ手術室に向かうと緊張してくるがそれも麻酔のおかげで全て無くなった
眠っている間は不安も何も無い
あるのは目を閉じた時の暗闇だけ
目を覚ますと歓喜に震える母親と父親
手術の成功に安堵する先生と看護師達
ふと思った
(幼馴染みが居ない…)
一番初めに祝ってくれるのはきっときっと彼だと思ったのに

あれからリハビリなどを行っていくと弱かったからだはみるみるうちに元気になった
性格も根暗だったのが嘘のように明るく気さくになった
これが自分なのかと思うことが増えたが移植した臓腑の影響で元の持ち主の記憶を受け継いだり性格が似たりとするらしい
元の持ち主はきっと気さくで明るい人だったんだろう
まるで幼馴染のように
「あ、そうだ。これドナーの子からお手紙よ」
「手紙?」
受け取った手紙にはタクマへと書かれている
手紙を開く

『タクマへ』
この手紙を読んでるってことは手術成功したのかな?
良かった
タクマには何も言わないで欲しいって言ってたから、多分わけわかんないよね
ごめんね
それに、改めて言うのは恥ずかしいけどさありがとね
俺の心臓で長生きしろよ!!
『コウキより』

「え……?」
大粒の涙が手紙に跡を残していった……


〜一言〜
めちゃめちゃにお久しぶりです
あと、めっちゃ下手になりました。元から下手ですがもっと下手になりました。すいませんでした
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙
気にしないでください、それではまた今度🌱 ᐕ)ノ

5/4/2023, 5:49:21 AM