いつもニコニコの彼が泣いていた。
どうして涙を流しているのか、私は気になりすぎて聞いてしまった。
「ね、どうしたの?いつも笑顔なのに。らしくないよ」
「そ、そう、かな……ごめん、今はちょっと泣きたくて……」
そういうなり、机に突っ伏してしまった。
よほど悲しいのか、ふるふると力なく震えている。
私は「そっか」と一言だけ呟き、教室を出た。
その時に聞こえたのは、彼の笑い声。
急に笑いでしたことに、私は気味が悪くなって急ぎ足で玄関まで駆け下りた。
「――あー……こんなにオレにも話しかけてくるヤツがいるんだ。いっつも気持ち悪いって避けられてたのに……。明日からどう接しよう。ワクワクが止まんないよ……」
〜ココロオドル〜
〜涙の理由〜
10/10/2023, 10:50:47 AM