たやは

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そして、

「誕生日おめでとう!」

「おめでとう!」

「へ?あー。ありがとうざいます。」

今日もおばあちゃんから受け継いだ喫茶店には、ちょっと変わったお客さまがいらしゃる。

でも、今日は皆さんからのあいさつがいつもと違った。

「誕生日おめでとう!これ私が編んだのよ。良かったら使って」

「ワシが育てた野菜だ。誕生日のプレゼントだ。」

「それ、あんたが料理に出してもらいたいだけじゃろ。猫又。これももらっておくれよ。誕生日おめでとう!」

座敷童子さんに猫又さん。お狐さんは神社の木から削った櫛をくれた。

カラン、カラン。

そして、ぬらりひょんさんは手に一輪のガーベラを持ってお店にやってきた。

「これをバアさんにな。」

「え!ありがとうございます。」

そう。今日は私の誕生日ではなく、おばあちゃんの誕生日だ。皆さん、私の誕生日だと勘違いしている。でも、おばあちゃんもきっと喜んでいるはずだからナイショです。

「バカどもが、お前の誕生日は先月だ。」

ぬらりひょんさんが私にだけ聞こえる位の声で呟いた。
まあ。いいですよ。皆さん楽しそうだし。そう言えば、ぬらりひょんさんは私の誕生日にもコスモスを一輪くださいました。
先月も今日も嬉しです。

「何?!お前の誕生日は先月なのか?トホホ。息子が変な顔しとるわけじゃ。ぬらりひょん。お前はこの子のおばあさんが大好きだからな間違えんな。」

「な?!黙れ!目玉!」

ぬらりひょんさん、照れてますよ。優しくしてあげてくださいね。
今日はおばあちゃんの誕生日。皆なさんにお祝いしてもらって良かったね。

10/30/2025, 9:31:21 PM