■お祭り
人混みが苦手なわたしは、今よりずいぶんと浴衣が似合ったであろう年頃の時にお祭りなるものによりつくことをしなかった。ごくたまに「デート」がしたい人に誘われて足を運んで、ずいぶんと疲れて帰ってきたことを思い出す。
あれから●年の月日が流れ、わたしは人間の子の親になった。子どもとは、お祭りにわくわくするものらしい。そんな子の手をひき、お祭りに行くようになった。ヨーヨーを釣り、的に狙いを定め、綿あめで口まわりをべとべとにしながらにこにこと笑う子の姿を見ていると、意外にも周りの人混みはさほど気にならない。(疲れて不機嫌になった子をいなしながら帰る道は中々の試練ではあるが。)
お祭りに足を運ぶようになる、それもまた、大人になるということなのかもしれない。
7/28/2023, 10:54:46 AM