いもばたけ

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「開かずの扉」
背筋が凍った。ゆっくりと後ろを振り返るも誰もいない。それもそのはず、この家の家主は庭に放っている番犬すらも連れて出かけているのだ。誰かがいるはずがない、物音なんて気のせいだ。そう自分に言い聞かせて目当てのものを探る。
この家の間取りにあった不可思議な扉、調べたところ家主しか開けることがない、いわゆる開かずの扉と言うものらしい。ついでに言えばその先には空間が存在するそうだ。家主しかは入れず、空間がある…それすなわち……おおっと考えるだけ涎が出てきた。
たどり着いた目当ての扉の前で鍵を開け、震える手で戸を開く俺の目に入り込んできたのは震える目でこちらを見つめる人だった。

              テーマ「狭い部屋」

6/4/2023, 11:25:55 AM