暇人 

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トントンと
肩を叩かれたようだ

意識が浮上して
ぼんやりと目を開ける

すると
よく知った顔が目に入った

「なんで、君が居るの?」

目の前の男は
困った様子で笑った

「一緒にいきたくて」

私はたぶん
呆れた顔をしている

または
悲しい顔かも



私達は
とある物語に出てくる

とある鉄道に乗っている

私達は、
メタ的に考えるなら…
終わりに向かっている

向かい合って座って
互いに、何かを話す

そして
あの場所でお別れだ



銀河を駆ける鉄道

美しい景色も
時間が止まったような静けさも

今はただ
終わりを確信するだけだ

君と乗れたのは
ほんの少しの幸いだよ

…言わないけど



だからさ
あと少しだけ…



11/28/2024, 12:53:25 PM