世話が面倒臭いと、何度思ったことだろう。 繊細で手間ばかり掛かるくせに枯れるのはきっと一瞬で、美しく咲き続ける保証など何処にも無い。 手入れを欠かせば簡単に朽ちてしまいそうな儚さを、その程度のものだと切り捨てられればどれほど楽だったのだろう。 何もしなければ自然に淘汰されるはずだったその輝きに、魅せられ手を伸ばしてしまったが運の尽き。 いつかは朽ち果てるこの華の首を優しく手折るその日まで、自分は愚かにも、この華に尽くし続けるのだろう。
6/25/2023, 2:19:06 PM